こんにちは☺
こちらの記事↓では、吹奏楽コンクール課題曲の一覧と気になる部分について
大雑把に予想・解説をしました。
【音源公開!】2019年度吹奏楽コンクール課題曲決定!ソロや作曲者、編成について解説!
この記事では課題曲Ⅴ.ビスマス・サイケデリアI の作曲者について解説と、タイトルの意味などについて少し掘り下げて書きたいと思います✎
この記事の目次
作曲者の日景貴文さんについて
日景貴文さんプロフィール
1990年生まれ。尚美学園大学音楽表現学科作曲コース卒業。作曲を川島素晴、愛澤伯友、坂田晃一、久木山直の各氏に、吹奏楽指導法を岡崎明義、合田香の各氏に師事。第4回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第2位、21世紀の吹奏楽 第19会”響宴”入選。(以下略)http://www.ajba.or.jp/suisougaku209.pdf
日景貴文(ひかげ たかふみ)さんは1990年生まれのこれまた20代の若い作曲家さんです。
尚美学園大学音楽表現学科作曲コースをご卒業されています。
会報すいそうがくによると、7年前の第4回全日本吹奏楽連盟作曲コンクールで試演審査まで通過されていたそうです。
日影さんの7年前というと、当時だいたい20歳くらいですね。
本当に才能がある方なんだなぁと思います。
日影さんのTwitterによると、指揮や審査のお仕事もされているそうです
Ⅴ.ビスマス・サイケデリアI 特徴は?
ビスマス・サイケデリアⅠの特徴
ご本人が語る、この曲の特徴としてスコアにはこのように書かれています。
「何を聴かせるべきか」をしっかり把握しておくことが肝要です。打楽器は、全体を通して主導権を握ることが多いですが、音量も音色もよく研究されるとよいでしょう。3連符と16分音符の合成による連打音や、長・短2度を含む不協和音は、構成音それぞれの音量バランスを徹底して独特な響きを作ってください。テンポは、速すぎてしまうと各要素の絡み合いが捉えにくくなってしまいますので、注意しましょう
とにかく連符が多く、不協和音、変拍子だらけの曲ですね…。
特殊奏法の指示もあります。(フラッターなど)
作曲者の日影貴文さんが語る、この曲のイメージ
作曲者の日影貴文さんは曲のイメージをこう語っています。
ビスマスに対する私のイメージ(…連続、反復、渦、極彩色、金属質、規則的と不規則など)を表現した作品です -http://www.ajba.or.jp/suisougaku209.pdf
課題曲Ⅴということもあり現代曲でとても難しいことは予想できますが
このイメージを聞いて、ますます「難解な曲」ではないかと想像してしまいました。
しかしこのように美しく変化する「ビスマス」をタイトルにしていることから、
この曲に対してもビスマスのように美しく、そして化学変化のような展開があるのではないかと期待しています。
そもそもビスマスとは
気になりますよね。タイトルの「ビスマス」!!
調べてみました。
ビスマスとは原子番号83の元素であり、日本名は蒼鉛(そうえん)。
やや赤みを帯びた銀白色の金属である。ーweblio辞書より
なんと、元素だったのですね。私は科学?化学?は苦手なので
あまりピンときませんが、調べたところ思いのほか美しい金属でした。
http://bismuth.tall-tree.net/about/bismuth/ より
とてもキラキラしていて、確かに赤みを帯びて綺麗ですよね。。
「鉛」という文字がつきますがビスマスは無害らしく、医療に使われることもあるのだとか。
ビスマスはこんなにも綺麗に変化する
↑のビスマスを熱で溶かして、ゆっくり冷却するとこのような幾何学的なおもしろい形の結晶になります。さらに酸化膜によってこんなにも綺麗な虹色に変化するそうです。
同じ元素と思えないですね。
「サイケデリア」とは
「ビスマス」を理解したらお次は「サイケデリア」について。
サイケデリア(名詞 psychedelia)は、LSDなどの幻覚剤によってもたらされる心理的感覚や様々な幻覚、極彩色のぐるぐる渦巻くイメージ(またはペイズリー模様)によって特徴づけられる視覚・聴覚の感覚の形容表現である。 https://ejje.weblio.jp/
視覚・聴覚の形容表現なんですね。この曲を聴いて目に浮かぶ不思議な模様をあらわした、というところでしょうか。
タイトルの「Ⅰ」について
タイトルの最後に「Ⅰ」とありますが、これはシリーズ化を見越してナンバリングしたのだとか!
このような曲を1曲でも作るのは大変だと思いますが、さらに続編を作曲されるおつもりなのですね…(驚)
ビスマス・サイケデリアⅠ 編成、ソロは?
スコアに記載の編成です。
木管・弦楽器
ピッコロ |
フルート1,2 |
オーボエ1、2 |
ファゴット1,2 |
E♭クラリネット |
B♭クラリネット1,2,3 |
E♭アルトクラリネット |
B♭バスクラリネット |
E♭アルトサックス1,2 |
B♭テナーサックス |
E♭バリトンサックス |
ストリングベース |
金管・打楽器
B♭トランペット1 |
B♭トランペット2,3 |
Fホルン1,3 |
Fホルン2,4 |
トロンボーン1,2,3 |
ユーフォニウム |
チューバ |
ティンパニ(サスペンドシンバル) |
スネア、フレクサトーン、ボンゴ&コンガ、ビブラスラップ |
ウィップ(ムチ)、ハイハット、カウベル、フットバスドラム、タンバリン、バスドラム |
タム、ラチェット、アンビル、チャイム、ヴィブラフォン、バスドラム |
マリンバ、シロフォン、グロッケン |
グロッケン、トライアングル、スライドホイッスル、タンバリン、ウインドチャイム |
とにかく!打楽器の種類が素晴らしく多いです。笑
特に、他の課題曲にはない、効果音系の打楽器がよくつかわれていますね。
ビスマス・サイケデリアⅠ ソロのあるパートは?
スコアにはsolo の記載は見当たりませんでした。
ただ、各所に「1 player」と書かれています。各パートで1人だけ演奏する、という指示ですね。
ビスマス・サイケデリアⅠ 音源は?
フル音源が公開されました!
まとめ
年々演奏の難易度が上がっている課題曲Ⅴ。
今年の作曲者の日影さん自身も、「大変高度な技術を要する」と語っておられます。
しかし最近の学生のレベルも上がっているのでⅤを選択する高校も割と多いのでは…?と予想しています。
難しそうな曲ではありますが、「ビスマス」がとても美しいものだと分かると少し「とっつきにくさ」も減少するのではないでしょうか。
目には見えない「サイケデリア」をどう音楽で表現するのか…これはコンクールで聴けるのが楽しみです。
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